睡眠時無呼吸症候群
当院の睡眠時無呼吸症候群の治療は2002年から行っており県内でも随一の診療実績のある施設です。
一般の診療所では出来ない1泊入院による終夜睡眠ポリソムノグラフィーという精密検査も積極的に行っています。
そのため他の医療機関、無呼吸症候群が業務上問題となってしまうような交通機関関係の会社とも連携して治療実績を上げています。
睡眠痔無呼吸症候群とは
寝ている間に呼吸が止まり、体の中の酸素が欠乏することにより様々な合併症を引き起こします。脳梗塞、不整脈、心筋梗塞、認知症などの出現頻度が高くなってしまいます。
原因
原因として肥満が考えられておりますが、我が国では肥満だけではなく東アジア人特有の過去の食習慣の影響で顎の骨格的問題から無呼吸を来すことも多く、当院では現在1500名程度の治療患者様がおられますが、その約4割は肥満ではありません。
症状
自覚症状としては全くない人もいいますが、多くは日中の眠気、熟眠感がない、集中力がない、いくら寝ても眠い、起きたときに頭痛、夜のトイレの回数が多いなどの症状を有しています。
また睡眠中に家族や友人から“いびきがうるさい”“寝ているときに息が止まっている”など周囲の人から指摘されて発見されることも多い病気です。
高血圧や糖尿病との合併も多い疾患です。
睡眠時無呼吸症候群の診断
多くの施設では簡易検査を行ってスクリーニングするだけにとどまっていることが多いのが現状です。しかし簡易検査はあくまでも簡易な検査で正確性には欠けてしまいます。
簡易検査の結果だけで評価してしまうと、本当は治療レベルであるにも関わらずそのまま放置されてしまう事も多いのが問題点です。
当院では簡易検査の結果、数値だけではなく、検査中の出来事を分析して問題点を認める場合には1泊入院による終夜ポリソムノグラフィー(PSG検査)という精密検査でさらに分析するようにしております。
より正確に精査を行い診断に間違いのないように努めております。
また睡眠時無呼吸症候群は治療において呼吸器、循環器、糖尿病、耳鼻科的要素を複雑に絡み合うため、当院では専従の呼吸器医師、糖尿病専門医、東京医大循環器内科医師、慈恵医大耳鼻科医師が診療に当たっております。
睡眠時無呼吸症候群の治療
治療方法は大きく分けて口腔内装具、CPAP治療、手術となっています。
世界のゴールデンスタンダードの治療としてはCPAP治療となります。
口腔内装具
日本においては軽度の無呼吸症候群の場合には口腔内装具を作成して使用する治療が勧められており、口腔内装具で実績のある口腔外科を紹介しております。専門知識のない歯科で作成しても効果はほとんどでないことが多く、精密に作成してくれている医療機関を紹介しております。
CPAP治療
中等度以上の無呼吸症候群の場合にはCPAP治療を行うこととなります。
CPAP治療の機械は当院ではフィリップス、帝人、チェスト、マグネット社で扱う機械を、患者様にレンタルする形式となります。
簡易検査のレベルで無呼吸・低呼吸の数が40回/時間以上、精密検査では20回/時間以上で保険の適応が受けられます。
患者様毎に設定も異なるため、外来診療を通して設定を変更してその人に合った状態に調整し無呼吸の出現を抑えます。
保険診療となるため、それなりの制約もあり、原則的に毎月の受診が必要となります。
診療費用は3割負担で月に約5000円程度となります。
手術療法
手術は前述のCPAP治療がどうしても使用できない場合の選択肢となります。こちらの実績のある専門施設を紹介することとなりますが、現実的には行うことがきわめて少ない治療です。